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2025.08.15

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20250913 peatix

公益財団法人政治経済研究所・現代経済研究室オンラインセミナー


テーマ 債務国家資本主義と国家資本主義

    ―現代資本主義の資本蓄積構造の解明に向けて

報告者 吉田真広(駒澤大学経済学部教授)

日 時 2025年9月13日(土)14:00~16:00

場 所 政治経済研究所(対面およびZoom配信)

参加費 一般の方 500円(研究会員無料)


現代資本主義における資本蓄積構造の解明


【概要】

 現代資本主義において、国家財政のあり方は歴史的特徴をもっており、本報告はこれを明らかにするための研究の一環である。先進国では1980年代以降、一国経済規模に対する歳出歳入がこれまでにない割合に拡大してきた。これは財政を通じて国家が経済に深く関わるようになってきたことを意味する。同時に、多くの先進国では、財政赤字とその累積が進行している。すなわち、現代資本主義は、従来と異なる意味合いで「国家資本主義」であり、多くの場合「債務国家資本主義」の構造をもつ。このような構造は、多くの先進国に共通する少子高齢化のみに原因を帰してよいものではない。むしろ、ほぼ全ての先進国に共通する所得格差の拡大を含み、現代資本主義における資本蓄積構造への国家の関わり方を示している。なぜなら、こうした国家財政と一国経済の関わりの構造は、先進国ほどではないが、途上国や新興国においてもある程度認めることができるからである。


【参考資料】

①「グローバル経済下における国家と信用 −債務国家資本主義の構造−」松本朗編著『グローバル経済と債務累積の構造』晃洋書房、2021年3月、148-179頁

②「債務国家資本主義 −現代資本主義の蓄積構造−」『立命館経済学』第72巻第4号、2024年3月、456-473頁

③「途上国における国家資本主義と債務国家資本主義 −先進国との比較−」『アジア・アフリカ研究』第64巻第4号、2024年12月、41-61頁


【経歴】

1958年北海道生まれ。1999年3月國學院大學にて『為替相場制度研究』で博士号取得。同年4月より福井県立大学経済学部准教授。2010年4月より駒澤大学経済学部商学科教授。


【業績】

共編著に『ドル体制とグローバリゼーション』(駿河台出版社、2008年5月)。共著に『東アジアの地域経済連携と日本』(晃洋書房、2012年3月)ほか多数。