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2025.09.23

告知

地域史料「大島家文書」を正式受贈
― 大学・自治体・地域と連携した保存と活用へ

【地域と連携・史料で紡ぐ歴史と未来】

戦後ふじみ野地域の医療と住民活動を伝える「大島家文書」

政治経済研究所が正式受贈、産学官民協力による保存・活用の取り組み


2025年9月23日

公益財団法人 政治経済研究所


 公益財団法人政治経済研究所(所在地:東京都江東区、代表理事:齊藤壽彦、以下「当研究所」)は、このたび、ふじみ野市教育委員会より寄贈を申請された「大井医院・大島慶一郎関係資料(以下、大島家文書)」(約430箱分)を受け入れました。文京学院大学、埼玉民医連、ふじみ野市、地域住民との協力のもと、この貴重な地域資料の保存・研究・活用に取り組み、地域に根ざした社会教育とまちづくりの新たな価値創造を目指します。


【地域の歴史を伝える史料―「大島家文書」の価値】

 「大島家文書」は、戦後のふじみ野地域における地域医療の実践、住民運動、生活協同組合の活動などを克明に記録した一級の歴史資料群です。大島慶一郎が運営する大井医院を拠点とした地域医療活動の軌跡は、高度経済成長期における郊外の暮らしと社会変容を映し出す貴重な証言となっています。およそ80年の年月をかけて蓄積されてきたこれらの資料は、地域の記憶を次世代に継承するとともに、現代の地域課題解決にも示唆を与える社会的財産です。


【学術と地域をつなぐ共同研究プロジェクト始動】

 文京学院大学は、本資料を活用した共同研究プロジェクト「郊外まちづくりの現代史:ふじみ野戦後地域資料からみる『生きられた都市化』」を2025年4月より開始しました。社会学・教育学・歴史学の専門家が連携し、地域社会と協働しながら日本の郊外論に新たな視点をもたらします。

 本プロジェクトには、20年以上にわたり大島家文書のアーカイブ構築に取り組んできた専修大学の鬼嶋淳教授(日本近現代史)も参画しており、研究と実践の両面から本資料群の活用が進められています。



【保存・管理体制について】

 大島家文書の所有権は公益財団法人政治経済研究所が保有し、収蔵スペースは、現在資料館を改修工事中のふじみ野市教育委員会保有分を含め、文京学院大学と埼玉民医連がそれぞれ提供します。地域資料レスキュー団体からの協力を得ながら、こうした体制を構築してきました。また、ふじみ野市教育委員会も資料の整理・活用を含む本プロジェクト全体に対して継続的に協力を行います。産学官民の枠を超えた協力体制のもとで、資料の適切な保管と活用を推進していきます。



【市民参加型アーカイブの構築】

 資料の搬出・整理作業には、文京学院大学の学生アルバイトや地域住民も参加。また、文京学院大学とふじみ野市教育委員会社会教育課が協力して開催した地域史料のワークショップに当財団が参加・協力し、地域住民・学生・研究者の協働による資料の読み解きと活用を実践してまいりました。今後もこうした協力体制を継続・発展させてゆきます。



【地域資料を活かした社会教育の新モデル】

 本プロジェクトは、単なる資料保存にとどまらず、大学・医療団体・自治体・市民が有機的に協力する新しい社会教育のモデルケースとなります。当研究所は、地域史料保存をめぐる全国的なネットワーク形成に積極的に貢献し、地域社会における歴史文化の継承と新たな価値創出を目指します。



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【本件については下記のフォームよりお問い合わせください】

公益財団法 政治経済研究所 担当: 柳 啓明(理事・事務局長)

https://www.seikeiken.or.jp/contact.html