公開研究会のご案内
テーマ 戦後日本の平和運動―その成果と課題
報告者 藤原 修(東京経済大学現代法学部教授)
日 時 2025年11月29日(土)14:00~16:00
場 所 政治経済研究所 別館映像講話室+オンライン
参加費 500円(研究会員無料)
戦後平和運動の成立過程とその思想的背景を通して、日本社会に根づいた「平和国家」像の形成とその限界を考えます。
※Zoom 招待 URL と事前資料は、お申し込みの方へ前日までに送付します。
※イベント継続のため、ご支援のカンパを募集しています。
【概要】
戦後日本の平和運動の主たるインスピレーションは、原爆被災や全国各地の空襲体験、出征兵士の戦死など、銃後における戦争体験に求められる。他方、戦後平和運動の直接の契機となったものは、朝鮮戦争に至る米ソ冷戦の深刻化であり、これは同時に、国内における逆コースと呼ばれる民主主義の危機とも結びついていた。戦前の軍国体制も苛烈な言論統制を伴っており、平和運動は民主主義の擁護と関連付けられた。
戦後の平和運動は、社会に広く平和文化を浸透させ、政府の安保政策に強い制約を課すことになり、「平和国家」アイデンティティーが形成される。しかし、安全保障についての国民的政治合意は形成されることなく、不安定な安保政策構造の矛盾は、沖縄における安保の過剰負担という形で集約的に顕現した。他方、もっぱら銃後の戦争体験に基づいていた戦後平和主義は、周辺のアジア諸国との和解や旧満州移民などの残留邦人保護という課題をも残している。
【経歴】
1959年、愛媛県松山市生まれ。東京大学法学部卒。東京大学法学部助手、明治学院国際平和研究所特別所員、東京経済大学専任講師、同助教授、オックスフォード大学ニューカレッジVisiting Fellowなどを経て、現職。
【専門】
国際政治学、平和研究。
【業績】
『原水爆禁止運動の成立―戦後日本平和運動の原像1954-1955』明治学院国際平和研究所。
「日本の平和運動―思想・構造・機能」日本国際政治学会『国際政治』第175号。
「戦後日本平和運動の意義と課題」日本平和学会『平和研究』第45号。
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